〜障害者総合支援法の基礎知識と出題ポイント〜
はじめに
介護福祉士試験では、高齢者介護だけでなく、障害福祉制度についても理解が求められます。その中心的な法律が「障害者総合支援法」です。
この法律は、障害のある人が地域で自立して安心して生活できるように支援することを目的としており、試験でも頻出の分野です。今回は、定義・サービス内容・サービス利用の流れ・試験ポイントを分かりやすく整理し、練習問題付きで解説します。
障害者総合支援法とは?
1. 制定の背景
- 平成25年(2013年)4月施行。
- 旧「障害者自立支援法」を改正して誕生。
- 「障害は誰にでも起こりうる」という理念を重視。
2. 対象者の定義
障害者(第4条)
- 身体障害者
- 知的障害者
- 精神障害者(発達障害を含む)
- 難病患者(新たに追加された重要ポイント)
試験ポイント:「難病患者」も支援対象に含まれる。「18歳以上」
障害児(第5条)
- 18歳未満で身体障害・知的障害・精神障害(発達障害を含む)を持つ子ども。
試験ポイント:「発達障害を含む」こと、「18歳未満」がキーワード。
3. 目的
- 地域で自立した日常生活を送れるよう支援。
- 社会参加を促進。
- 必要な福祉サービスを提供。
サービスの種類
障害者総合支援法のサービスは、大きく「自立支援給付」と「地域生活支援事業」に分かれます。
1. 自立支援給付
- 介護給付:居宅介護(ホームヘルプ)、重度訪問介護、短期入所、生活介護、施設入所支援
- 訓練等給付:自立訓練、就労移行支援、就労継続支援(A型・B型)
- 相談支援:サービス等利用計画の作成、地域生活支援拠点の整備
自立支援給付の詳しい解説はこちら
2. 地域生活支援事業
- 移動支援
- 日常生活用具の給付
- 地域活動支援センター
- 手話通訳者派遣 など
試験ポイント:「自立支援給付」と「地域生活支援事業」に分かれている点を区別して覚えること!
サービス利用の申請方法
障害者総合支援法によるサービスを利用するには、以下の手順を踏みます。
- 市町村の窓口へ申請
障害者本人または家族が、市町村役場にサービス利用申請を行います。 - 障害支援区分の認定調査
調査員が訪問調査を行い、医師の意見書などを参考に「障害支援区分」が決定されます。
支援区分は「区分1〜6」で、数字が大きいほど支援の必要度が高い。 - サービス等利用計画の作成
相談支援事業所の相談支援専門員が、利用者の希望や状況に応じて計画を作成。 - 市町村による支給決定と受給者証の交付
認定結果と計画に基づき、市町村がサービス支給を決定。受給者証が交付される。 - サービス利用開始
指定事業者と契約を結び、サービスの提供が始まります。
試験ポイント:「申請は市町村」「支援区分認定→計画→受給者証→利用開始」という流れを理解しておく。
財源と利用者負担
- 財源:国・都道府県・市町村の公費
- 利用者負担:原則1割負担(所得に応じた上限あり)
練習問題
問題1
障害者総合支援法の対象に新たに加えられたのはどれか。
- 難病患者
- 高齢者全般
- 外国人労働者
- 児童養護施設の子ども
問題2
障害児の定義として正しいものはどれか。
- 20歳未満の身体障害児のみ
- 18歳未満で、発達障害を含む
- 18歳以上の知的障害児
- 年齢に制限はない
問題3
障害者総合支援法における利用者負担の原則はどれか。
- 全額公費負担
- 原則1割負担
- 所得に関係なく3割負担
- 定額制
問題4
次のうち「地域生活支援事業」に含まれるものはどれか。
- 就労継続支援A型
- 移動支援
- 短期入所
- 生活介護
問題5
障害福祉サービスの申請から利用までの流れで正しいものはどれか。
- 市町村申請 → 区分認定 → 計画作成 → 受給者証 → 利用開始
- 市町村申請 → サービス事業者契約 → 利用開始
- 医師の意見書提出 → 直接利用開始
- 県に申請 → 計画作成 → 利用開始
解答と解説
- 問題1:正解=1(難病患者)
改正により、障害者総合支援法の対象に難病患者も含まれるようになった。
- 問題2:正解=2(18歳未満で、発達障害を含む)
障害児は「18歳未満」が原則で、身体・知的・精神(発達障害含む)が対象。
- 問題3:正解=2(原則1割負担)
利用者負担は原則1割。ただし、所得に応じて負担上限が設けられている。
- 問題4:正解=2(移動支援)
地域生活支援事業には「移動支援」「日常生活用具給付」などが含まれる。短期入所や生活介護は自立支援給付に含まれる。
- 問題5:正解=1(市町村申請 → 区分認定 → 計画作成 → 受給者証 → 利用開始)
障害福祉サービス利用の流れは、市町村に申請し、区分認定を受け、サービス等利用計画を作成 → 受給者証が交付され → 利用開始となる。
まとめ
障害者総合支援法は「障害は誰にでも起こりうる」という理念のもと、障害者・障害児・難病患者を対象に、自立支援給付と地域生活支援事業の二本柱でサービスを提供しています。
さらに、サービス利用は 市町村への申請から始まり、区分認定→計画作成→受給者証→利用開始 という流れで行われます。
障害者福祉の分野は専門用語や制度の仕組みが多く、最初は混乱しやすいですが、一度流れを整理すれば得点源になります。
「対象者」「サービスの二本柱」「申請の流れ」の3つを意識して覚えれば大丈夫!
あなたも一歩ずつ理解していけば必ず合格に近づけますよ( ˶˙ᵕ˙˶ )

