訪問介護事業を立ち上げるための手続きの流れを徹底解説

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はじめに

訪問介護事業を始めたいと考えたとき、多くの人がつまずくのが「どんな手続きをすればいいの?」という点です。
介護事業は一般的な開業届だけでなく、介護保険制度に基づく指定申請が必要になるため、通常の起業とは少し違う流れを踏まなければいけません。

この記事では、訪問介護事業の開業に必要な手続きを ゼロからわかる順番 で解説します。
「税務署への開業届」から「青色申告の準備」、そして最も重要な「訪問介護事業所としての指定申請」までを丁寧にまとめていますので、この1本で全体像がつかめるはずです( ˶˙ᵕ˙˶ ) 


1. 開業届の提出

個人事業主の場合

訪問介護事業を「個人事業主」として始める場合は、まず 税務署に開業届を提出 します。
正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」で、開業から1か月以内に提出するのが原則です。

  • 提出先:管轄の税務署
  • 必要書類:開業届(1枚)、マイナンバー確認書類、本人確認書類など
  • 費用:無料

この開業届を出して初めて、事業主として正式に活動できます。訪問介護に限らず、すべての個人事業のスタートラインになる手続きです。

法人(合同会社・株式会社)の場合

法人として事業を始める場合は、法務局での登記 が必要です。
定款の作成・認証、資本金の払い込み、登記申請といった流れを踏み、設立登記が完了すると法人格が生まれます。

  • 提出先:法務局
  • 必要書類:定款、登記申請書、資本金払込証明書、役員就任承諾書など
  • 登録免許税:合同会社は6万円〜、株式会社は15万円〜

法人の場合は登記後、税務署へ「法人設立届出書」なども提出しなければなりません。


2. 青色申告承認申請書の提出

開業届と一緒にぜひ提出しておきたいのが、青色申告承認申請書 です。
青色申告を選ぶことで、次のようなメリットが得られます。

  • 最大65万円の特別控除が受けられる
  • 赤字を翌年以降に繰り越せる
  • 家族への給与を必要経費として計上できる

訪問介護事業は人件費や設備費がかかるため、節税対策は必須です。事業を黒字に育てるまで数年かかるケースもあるので、赤字を繰り越せる制度はとても心強い仕組みといえます。

申請期限は「開業から2か月以内」または「その年の3月15日まで」となっているので、必ず早めに準備しましょう。


3. 訪問介護事業の指定申請

ここからが訪問介護事業ならではのステップです。
介護保険制度のもとでサービスを提供するには、都道府県または市区町村に対して「指定居宅サービス事業者」としての指定を受けなければなりません。

(1)人員基準

指定を受けるには、事業所に必要な人材を揃える必要があります。

  • 管理者:事業全体を統括する役割。資格要件はないが、介護経験が望ましい。
  • サービス提供責任者(サ責):介護福祉士、実務者研修修了者などが該当。利用者ごとの計画作成を担当。
  • 訪問介護員(ヘルパー):介護職員初任者研修以上の資格を持つスタッフが必要。

最低限、これらのスタッフを配置する体制が整っていなければ申請は通りません。

(2)運営基準

人員だけでなく、運営方法も基準を満たす必要があります。

  • 利用者情報の適切な管理体制
  • 苦情処理の仕組み
  • 定期的な研修・会議の開催
  • 法令遵守の徹底

これらを事業所の運営規程やマニュアルとして準備し、書類にまとめます。

(3)設備基準

訪問介護事業は利用者の自宅に出向くサービスですが、事務所の設置が必須です。

  • 事務所として独立したスペースを確保
  • 電話やFAXなど連絡手段を整備
  • 利用者や職員と常時連絡が取れる体制

自宅を事務所にする場合でも、基準を満たしていれば可能ですが、自治体によって判断が異なるため必ず確認が必要です。

(4)申請手続きの流れ

  1. 自治体の担当窓口へ相談(事前相談が推奨される)
  2. 指定申請書類の提出
  3. 書類審査・実地調査(事務所の確認)
  4. 指定通知の交付
  5. サービス提供開始

申請から指定までに 1〜2か月程度 かかるのが一般的です。開業日を決める際には、必ず余裕を持ったスケジュールを組みましょう。


4. その他の関連手続き

訪問介護事業の開業では、ここまで紹介した以外にも関連する届出があります。

  • 年金事務所への社会保険の手続き(法人や従業員がいる場合)
  • 労働基準監督署への労働保険関係の届出
  • ハローワークへの雇用保険の適用手続き
  • 介護職員処遇改善加算の届出(加算を取得するために必須)

特に処遇改善加算は職員の賃金に直結するため、立ち上げ初期から計画的に届出しておくことが大切です。


まとめ

訪問介護事業を始めるには、通常の開業手続きに加えて「指定申請」という大きなハードルがあります。

  1. 税務署へ開業届を提出(または法人登記)
  2. 青色申告承認申請書を提出
  3. 人員・運営・設備基準を整え、自治体へ指定申請
  4. 各種保険や加算の届出も忘れずに

これらを順番にクリアしていけば、訪問介護事業所として正式にサービスを提供できるようになります。


手続きの多さに圧倒されてしまうかもしれません。
でも、一つひとつを丁寧に進めれば必ず実現できます。

訪問介護は「地域で暮らす人の生活を支える」かけがえのない仕事です。
あなたの思いが形になれば、多くの利用者やご家族に安心を届けることができます。

焦らずに、でも確実に。
一歩ずつ進んで、あなたの事業所を一緒に育てていきましょう( •̀ᴗ•́ )و ̑̑